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友人に誘ってもらって、ペシャワール会の中村 哲医師の講演を聞く機会を得た。
数年前、中村医師の話をネットで見て感銘を受けていたので、非常に楽しみだった。

ただ、会場につくと、左寄りの人たちがスタッフをしていたり、ちょっと場違いな雰囲気だったので、若干気になりつつ入場。

講演は素晴らしかった。
何かを成すということは、そのことに関心を持ち続けることだと。
成功とそれ以外の差は、恐らく何をもって成功とするのかだけ。やればやった結果が出る。という話。規模はめちゃくちゃ壮大だけど。

アフガニスタンは民族の花束と言われる地域で元々ややこしい...という話はどこか他のサイトに譲るとして、講演の内容で気になった所は、

アフガンには警察がない。精神病院もないこと。
それが何かというと、単なる違いを善悪、正邪など、自分のフィルターを通して見るから争いの元になる。ありのままをそのまま受け入れることが大事...と書きつつ、伝え方が難しい...多様性を受け入れられれば、殆どの争いごとは解決できる、そのため解決を請け負う機関が不要になる、というニュアンスに近かったか。

(支援は)自分達で作り、自分達で直し、自分達で維持できることを提供するのが肝心、ということ。
僕の身近な例で言うと、東北の防潮堤かなぁ。もちろん、日本とアフガンの経済事情は無視して考えて、だけど。

支援は与えるだけでは成り立たないこと。
仕事を作ることは本当に大事。

アフガンの人々は、石工が得意。江戸時代の治水技術で沙漠と暴れ川をどんどん開拓。
井戸もシャベルとツルハシで掘る。岩がじゃんじゃん出てくるけど、みんな頑張る。
みんなが頑張るのは、一日三度の飯が食いたいことと、家族と一緒の暮らしがしたいこと、の二点だけ。
灌漑が進むと、仕事も増えて人が戻ってくる。その人達も頑張りまくるという循環に。
聞いていて涙が出そうになった。
これ、成果をこちらで見てもらうと分かるのだけど、こんなになってる。もう、本当にすごい。
ペシャワール会は1983年に発足なので、ここまで来るのに33年かかっている。でも、中村医師はこれからももっとやるつもり。
質疑応答の際に、何から始めたら良いか、どのように続けたら良いのかという質問があり、始めるためには、まず興味を持ち、それについて詳しく調べること、続けるには興味を持ち続けることと答えられていた。
中村医師、言葉の重みがすごい。

実は質疑応答に移る前に帰ろうと思っていたのだけど、誘ってくれた友人の手前、残ることに(帰ろうとするところが自分ダメ人間)。

左寄りの人が憲法9条云々という質問をしたところ、御札にして頭に貼っても効果はない。考え方として、最初から戦うという選択をして向かっていくと戦いになるだけという回答。
そもそも、アフガンは自治集団的なものの寄せ集め(?)で農民が兵隊(といってた)なのでどの陣営もほぼ武装勢力が住民を相手側(あえて敵味方という言い方は避けるけど)から守っているとのこと。
これ、いつも繰り返している話だと思うんだけど、こういうのを聞いて左翼の人たちはどう考えるのか?どうしたら憲法9条が中村医師を守るという流れになるのか大変疑問。

質疑応答に残って良かった。中村医師の言葉は、ものすごく歪められていると感じた。と同時に本人がニュートラルで力強いことに感心した。
彼は現実を知っているからそのまま発言するだけ。しかも淡々と。
この場にいる左翼の人達は結局、安全な場所で好き勝手言っている無知で残念な人達だと思った。いや、思想の問題ではない。僕はやや右寄りの自覚症状はあるけど、左寄りの人たちと議論するのは好き。僕の考えと違う考えの友人も沢山いる。人種も様々だし。でも、僕の友人たちは嘘はつかない。それと、思考停止はしない。これは、本当に大事なことだと思う。まぁ、思考停止のこの人達が僕のこんな文章を見つけてわざわざ読むとは思わないけど。
ただ、結果として左翼が彼の活動を支えているのも事実。活動が支えられることは非常に良いことなので、もっと多くの人に関心を持ってもらう必要があると感じた。

終わった後、友人と話をしたのだけれど、中村医師は事業家だ。資金調達の方法を鑑みると社会事業家なのだと思うのだけど、そういった枠組みではなく、アフガニスタンを復興させる事業を成功させつつある事業家。資金を調達して、そのお金を正しく運用して世界を変えていくのは、優れた経営能力がないと継続できない。
講演でも離されていたが、単なる支援ではなく、仕事を作り出すことが大事だし、それが継続することが何より大事だと考えているように見受けられた。
事業の拡張についての考え方も合理的。復興の手順として、まずは、とりかかった地域を完全に復興させモデルを作ること。そして成功したそのモデルを元に全国に広げていく。最初から全国を、としたら何もならない。とのこと。
これ、今仕掛中の僕の案件とほとんど同じ。取り組む市場が大きい場合、最初から大きな網を投げても何も得られない。

住民が助かるためなら誰とでも手を組む。良心的な人なら誰とでも(恐らく、破壊の逆にいる人というようなニュアンスだと思う)。
また、組織は問題ではない(例:政府・反政府)。組むのは組織の中にいる「人」。
結局人が大事(恐らく、国同士はいがみ合っても、個人的にはそうではない人を沢山知っているというような特亜の話に近い)。
それから、敵を作らないことも大切。
常にニュートラルであること。

残念なのはこうした素晴らしい話を聞いた後にも尚、憲法9条が~、原発が~という質問者がいたこと。宇宙の神とか言ってる人もいた!
でも、中村医師は否定せず受け流してた。敵を作らないを目の前で披露。
本当に素晴らしかった。
彼の講演を是非、沢山の人に見てもらえたらと思う。

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