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マインドセット「やればできる!」の研究
キャロル・S・ドゥエック著 今西 康子訳 草思社

独立して暫くしたころ、僕はあまり良くない状況に追い込まれていて、独立した時の自信を無くしつつあった。
良くない現実を中々受け入れられなかったのは、それを受け入れたら自分がダメ人間だということも受け入れなければならない気がしていたからだと思う。
そして、そんな状況だったにも関わらず、自分の始めたやり方を変えようとは全く思っていなかった。

きっかけはいくつかあったのだけれど、一番は教育の仕事に誘ってもらえたこと。社会人教育がどういうものか見せてもらって、自分にもできることがあると教えてもらえたことは非常に大きな転機になった。40歳を過ぎて尚、自分は変われるんだということを実感できたのは本当に幸せなことだったと思ってる。

その時に教えてもらったことの一つに、「人はどのような状況からも、また、誰からでも学ぶことができる、本人に学ぶ意志があれば」というのがある。多分、メンターとか人の成長に関する話題で出たキーワードなのだけど、丁度その話を聞いた頃、まさにその通りの状況が自分に起こって、それに気付けたことも幸せなことだった。

それは、まだ幼稚園に入る前のムスメと近所の公園にある砂場で、うさぎちゃんの型抜き遊びをした時のこと。
その時ムスメがうさぎちゃんに詰めた砂の量は半分で、型から出した時のうさぎちゃんはうさぎちゃんの形をした砂の塊だった。「残念、失敗だね」と言いそうになったその時、ムスメが言った言葉は忘れられない。
「あ、ちいさなうさぎさん、できたね」
あー、そういうことか、と思った。うさぎちゃんはできてたんだ。できてないと決めてたのは自分だった。次は大きなうさぎちゃんを作ってみよう、そう思えばちいさなうさぎちゃんは大きなうさぎちゃんのためのステップだ。

何かをやろうとした時、人はかなりの確率で失敗する。でも、自身の成功と失敗を決めるのは、自分だ。自分に起こったことをどう捉えるか、それを踏まえて次にどうするか、それを決めるのは自分だ。
ジョン・ウドゥンというバスケットコーチの言葉として紹介されていた「失敗を何かのせいにしないかぎり、その人は失敗者ではない」というのは、まさにそれで、失敗をどう捉えるかで次の一手が違ってくるってことだと思った。

この本に書かれていることは大きく2つ。
  • 人はいつ、どんなことからも学ぶことができるということ
  • 人はいつでも変わることができること
そして、それを実践できるように幾つかのステップが事例とともに示されている。

一番共感できたのは次の一節。
チャンスを見つけたら、それを実行する計画を立てて、次のように問いかける。
いつ、どこで、どのように実行しようか?
当然障害に突き当たる。失敗したら、計画を立てなおして、次のように問いかけよう。
いつ、どこで、どのように新たな計画を実行しようか?
どんなに落ち込んでいても、行動に移すことが肝心!
そして、うまくいったら、次のように自問するのを忘れないこと。
逆戻りせずに進歩するためには、どんなことをする必要があるだろうか?
うまく行かなかった時だけでなく、うまく行った時も考える続けることと、常にそれを行動に移すこと。
簡単に思えるけど中々できない。いや、できる時とできない時の差が大きすぎて困ってる。かな。
今朝、一緒に見たオリンピックの重量挙げと水泳で選手達のコメントが一様にこれと同じ内容に思えたのは気のせいじゃないはず。
癇癪を起こしつつも、1ページずつちゃんと宿題を終わらせているムスメを少し見習う必要がありそう。
というようなことを、夏休みの宿題をやっているムスメと同じテーブルの隣で書いてる。
ムスメと一緒に頑張ろ。
- memo -
  • ビジョナリー・カンパニーシリーズ読むこと
  • 巨象も踊る(ガースナー)読むこと
  • 対話型プログラム「ブレインノロジー」調べること

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