この写真は、2024年晩夏から初秋にかけて行われたActions Beyond Words (ABW)の2つのミッションの記録だ。
僕は、ボランティアスタッフとして、そして彼らの友人としてそのミッションに参加した。
そこで撮ってきた写真を公開するのは、ウクライナの今と、そこで様々な支援活動をしている人達、そして、その支援活動を支えるABWについて紹介することを目的としている。
2022年2月24日に突然始まったロシアの軍事侵攻。それを知った時のことを僕は既に曖昧なイメージでしか思い出せなくなっていた。
その後も世界中で様々な酷い出来事がいくつも起こったし、日本でも大きな災害が起きたりしたからだ。
僕だけでなく、ウクライナの終わりの見えない戦闘状況も相まって、世界の人々がウクライナの人達へ寄り添う気持ちを減らしてしまったように感じる。
少しでも多くの人に再びウクライナへの関心を持ってもらえたら、ロシアがウクライナから一日も早く出ていくことを願う人が一人でも多く増えてくれたらと願っている。
Part1
今回、僕が最初に訪れたのはオデッサ州のコトフスクという小さな街。
その街で、戦災に遭った犬を預かり育てたり、里親を探すボランティアをしている、Місце Під Сонцем (The Place Under the Sun)という団体の手伝いで、ドッグシェルターを作るというのが最初のミッションだった。
1週間コトフスクに滞在した僕は、ウクライナは平和な暮らしの中に戦争があるという奇妙な感覚を覚えた。
戦争で発電施設が破壊されてしまった影響で、コトフスクでは電力の供給が不安定だ。電気が止まってしまうと、電化製品が使えないだけでなく、水道も止まってしまう。洗濯ができないだけではなく、シャワーもトイレさえも使えなくなってしまう。
停電の中営業をしているのは、自家発電設備やジェネレーターを持っている店舗だけだ。
でも、そうした不便さを除けば、牧歌的な風景、優しい人達、美味しい食事のあるコトフスクの生活は非常に豊かで過ごしやすかった。