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心をつなげる
アンドリュー・ニューバーグ/マーク・ロバート・ウォルドマン著 川田 志津訳 東洋出版

妻が彼女のコーチングのお師匠(?)から勧められた本。コミュニケーションの仕方をより良い方向に変えるための具体的な方法が示されている。
会社のサイトに「組織と人・人と人とのコミュニケーションにフォーカスした、組織開発・人材育成に関連する学習プログラムの企画・開発を行っています」と書いてしまっているし、読まなきゃとは思わなかったけど、読んでよかった直球テーマ。

色々な事例と根拠になる生理学や心理学の解説(といっても全く専門的な説明ではないので安心)があって、納得性が高く、ちょっと試しにやってみようと思う気持ちが生まれやすいはず。

この本の目指すところは、
「自己に内在する言葉を変えることで、自分の生きる現実を書き換えることだってできる」
という考え方(のはず)。
小さな枠、一人の人間でいうと、幸せや不幸せは自分が作り出すもの、ということになるかと思う。
大きな枠、例えば国や人類全体でいうと、争い諍いのない世の中を作るために、それをつくる我々全体がこういう考え方を受け入れられるかということなのではないかと思った。

コミュニケーションに対する根本的な考え方で、今すぐ気をつけられそうなのと、それができたら効果が高そうなのは「ゆっくり話す」と「簡潔に話す」かな。
その理由は、「平均的な人間は短時間かつ一定の情報にしか集中することができない」から。人間が脳の中に一時的に蓄積できる短期記憶のかたまりは、平均すると20~30秒くらいの情報量しかなく、20~30秒が経過すると、旧い情報のかたまりは新しい情報のかたまりに上書きされてしまうらしい。
これを読んだ時に真っ先に頭に浮かんだのはムスメとの会話。彼女が集中力がないのではなく、彼女は子供だから集中が切れると単に分かりやすいだけだったのだと思った。
人に対する話し方や、仕事のプレゼンの仕方を大いに見直したくなった。

また、「たとえ相手が同じであっても、すべての会話はその場だけの特別な経験なのだ」という一文は、今、ここに集中してコミュニケーションを取るべき○○の理由になるのではないかと思える。適当に話したり、適当に聞いたら勿体無いなと感じた。それも、初めて…なんだかなぁ。
これからは集中できなくなったときや、集中して聞いてもらえないと感じたときは「あ、これだ」と気がつくようにしたい。

「使う言葉を変えれば、脳も変わる。脳が変われば、他者との関わり合い方にも変化が訪れる。言葉を通じてネガティブな社会を作るのか。それとも優しさと協調と信頼に溢れた社会を作るのか。その選択は私達に託されている。」
これくらいの使命感を持って日常のコミュニケーションを、それこそ、誰とでもできるようになれれば…

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