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やっと書くことが出来た。
まだうまく消化できてないのだけど、先日行ってきた年明け一発目の出張でのこと。
福岡に行くのにかこつけて、友人と会ってきた。それがこの話の始まり。

彼の職業は、デザイナー。そもそも福岡出身なのか、福岡に住んでいるのか分からないくらい色々な場所に出没している男で、名刺の住所が福岡だから、福岡に行くときに連絡するのが正しいのだろうと思って今回連絡したら、無茶な時間設定にも関わらず、調整してくれることになった。

で、その日、最初に連れて行ってもらったお店が、
茶房というかお茶専門の店だった。名刺にはお店の名前しか書いてない。
お店にも看板は出ていなかった気がする。

先客は一人で、僕達が店に着くと入れ違いに帰るところだった。
先客の会計が終わるまで少しの間、カウンターに座って店の中を見ながら待った。



カウンターの前には、お茶の道具と温度計とその他もろもろの器や器具が置かれている。
お店の人の制服は調理服というより白衣。お茶を計っている姿は、調理人というよりは薬剤師みたいで、内装の和の雰囲気とのギャップが何だか新鮮な感じだった。

初めてなので、おすすめの玉露をお願いする。



最初は35度だったっけ。かなり低温。そして少量。
イメージはエスプレッソ。あるいは日本酒ぬる燗。酒器と茶器ってとても近いと思うのだけど、あれくらいのサイズの器をみるとつい、猪口を連想してしまう(苦笑)


カウンターに置かれた器と向き合って一呼吸。香を楽しんだりするのかなとか、いきなり飲んで良いのかなとか…だって分からないし。
友人のお茶はまだ準備が整っていなかったので、お先に、と器を持ち上げる。まぁ、酒だったらまずは香くらい嗅ぐだろうと思ってそうした。
飲み方がわからないので、一気に飲んでいいの?と友人に聞くが、彼はちょっと笑っただけで教えてくれなかった。僕のそういう状況を楽しんでいるみたいだった。
で、飲んだ。一気に飲めなかった。衝撃的だった。
お茶ってこんな味がするのかと思ってびっくりした。
そりゃ教えてくれないよね。この楽しさを取っておいてくれたんだから。ありがとう。

お茶に詳しい人にとっては当たり前なのかもしれないけれど、僕はこの先、あの味を絶対に忘れないだろうと思う。
うまく言葉に出来ないのだけど、お茶というより出汁を飲んでいる感じだった。すごく上品な出汁。

食べ物好き、酒好きでよかった。
こんなに驚くようなことがまだあるのかというくらい楽しい体験だった。



趣向の変わった数種類の甘味も出してもらい、一煎から三煎まで。
ゆっくり時間を使って贅沢な気分を楽しめる。
チャージ込みで3杯と考えると、お酒換算ではかなり良心的な値段だと思う。
お酒と比較するのは下卑た感じで気が引けるけど。
しかも、お茶の利点はそれだけ飲んでも酔わないこと(笑)
いや、真面目にお茶やりたくなってきた(危)

良いモノ(お店も)に出会うためには、やっぱり良い人との出会いが本当に重要だってことが改めて分かった。
安井くんありがとう

しかし凄いお店だった。
また来る、というのはダークサイドの言葉で、お店でそれを口にすると願いが叶いにくくなるから言わなかったけれど、また行きたい。

いや、是非また行きたい。

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