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メメント・モリ
亡くなった叔父は元官僚(多分)で、押出しも強く、若いときはとても怖い印象だった。ただ、母が叔母の仲良し兄弟だった関係で、僕と妹だけはなぜか可愛がられてた。だから、そんな叔父のことが僕は割と好きだった。
子供の頃、長い休みの度に遊びに行っていた叔父の家は都会の路地に建つ一軒家だった。僕が大学を出て働き始めた頃に建て替えたのだけど、古い家には珍しい形の照明や摺りガラスなんかが沢山あった。何故だか分からないけど、その建て替え直前の頃に、叔父に呼ばれて夕食をご馳走になったことを急に思い出した。あれはどうして行くことになったんだっけ…全く思い出せない。
晩年の叔父は患った病気のせいで殆ど会話をすることがなくなっていたと聞いている。遺影の写真もそうだけど、棺の中の顔は思っていたよりも少し小さくなって穏やかだった。でも僕はやっぱり気難しそうにしている彼の顔を想像しちゃったし、その顔も好きだったなと思った。

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