ミヤタくんのお父さんが亡くなった。
お父さんはガンだった。
夕方にミヤタくんから電話があった。
お会いしたことはないけど、今のミヤタくんの元を作ったお父さんだからちょっと話をしてみたかった。
ミヤタくんは寂しそうだった。当たり前だけど。
会社を定年されてまだ間もないのに、本当に残念だったと思う。
職位も結構高かったはずで、定年したら色々したいことが有ったって聞いてたからね。
毎回そういう話を聞くたびに考えるのは、僕だったらどうするかってこと。
もうさ、50歳過ぎたからこれから何をしたいか、何をしないかは本当にしっかり考えないとと切実に感じる。
もちろん、日々楽しいことは大事だし、お金を稼ぐことも大事なんだけど、何をしたいかってことにもっと真剣に向き合わないといけないと思う。
20代の終わりに漠然と思っていたのは僕のこれからの人生はおまけだから、いつ死んでもいいように好きに生きよう、どうせ人間五十年、とかそういう人生だった。
けど、今考えると、当時の僕は浅はかで、その後ムスメが生まれたり、自分で会社をやり始めると人生はそんな単純なことじゃなかった。
あと、あっという間とは言わないけど50代になってむしろ煩悩や執着の数は増えた気がする。
まぁいっか、ってちゃんと死ねるかどうか。
つまり、まぁいっか、までどう生きるかちゃんと考えないとね。
おまけだったのも忘れてた。
久しぶりに後ろを振り返って前を見てもう一度ちゃんと考えようと思った。
今日はミヤタくんのお父さんに献杯。