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今宮神社の東門前に、二軒の、全く同じ食べ物「あぶり餅」を出している店がある。
一軒は「いち和」。創業は長保2年(西暦1000年)。
もう一軒は「かざりや」。創業寛永14年(西暦1637年)。

創業1000年ってどういうことなのかということ。
西暦1000年というと、藤原道長が彰子を一条天皇の皇后にした年…って実感湧かない。湧かなすぎ。もう一つの出来事は、1000年~1014年位の間に枕草子や源氏物語が書かれているということ。こっちは分かる。本読んだし。つまり、そのくらいから今まで続くお店だということ。
一方の1637年創業はどういう年かというと、島原の乱が起こった年。あー、こっちもちょっと知ってる。

このびっくりするくらい長い年月営業している店のことは、竹林さんという方に教えていただいた。
京都 驚嘆の1000年ビジネス!!

その時教えていただいたのは、「いち和」は「かざりや」を自分たちより少しだけ儲かる環境においてあげているらしく、それが商売を続けるコツだと考えているという。
相手がちょっと儲かるくらいって???なのだが、いち和の女将さんが紹介されているこちらのページを見ると、何となく見えてくることがある。つまり、いち和では「あぶり餅」という商売が続くことが一番大事なこととして定義されてるのではないかと思う。

聞くところによれば、京都は商売がかぶる事業者が居ないそう。誰かがやっている二番煎じをしようとすると、「それどこそこの誰々さんがもうやってるよ」と周りから言われる(諭される)そうで、だから皆新しいことを考えようとするとか。
そんな京都で、600年続いた店の前(本当に向かい)に全く同じ店を出そうとした「かざりや」とそれを迎えた「いち和」。本当に面白い。

そして、やっぱり行ってみた。
どちらも非常に雰囲気が良く、「さすが京都」という作りの店。
もちの味はいち和。こちらの濃い味の方が美味しいと思う。かざりやは薄味。ただ、さすがに600年後にできただけあって、建物の作りがより良いものに工夫されていたのと、お茶が美味しかった。やはりそのまま真似はしないんだな。

さらに、お店に居る時に気がついたのだけど、最初から売り子のおばちゃんが店の外にでて神社から出てくる人たちに声をかけているのは「かざりや」で「いち和」のひとたちは「かざりや」のおばちゃんの声を聞いてから店先に出てくる感じ。また、「いち和」が声をかけているのは主にこれから神社にお参りをする人のように思われた。「帰りによってくださいね」という感じで声をかけていた。

面白い。そして、京都すごい。









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